Screenplay by Dario Argento
|
脚本のみを担当した作品の一覧です。製作、監督を兼ねるものについては、それぞれのページを参照してください。
|
監督:アルベルト・ソルディ |
英語題:Once Upon a Time in the West (1969) |
|
(略筋) 西部に初めて鉄道が敷かれようとする頃。アイルランド移民のマクベインは西部開拓に夢を抱いていた。砂漠の土地を買収し、代理結婚した妻をニュー・オルリンズから呼び寄せる。だが、マクベインの土地を鉄道建設会社のモートンが狙っていた。マクベインの妻、ジルが夫のいる土地にやってくる。しかし、モートンの差し金でガンマンのフランクにマクベインは殺されていた。ジルと同じ馬車にはフランクの行方を追う「その男」と呼ばれるよそ者が乗っていた。「その男」は拳銃の名手でハーモニカが上手だった。マクベイン殺しの容疑は混血の無法者、シャイアンに向けられた。だが、居酒屋で「その男」と出会ったシャイアンは犯行を否認。一方、ジルが夫の土地を受け継ぐと、フランクが彼女を狙うようになった。身の危険を感じたジルは、保安官の助けを得て土地を競売に出す。フランクは裏工作をしたが、「その男」とシャイアンが土地の権利を買い取り、ジルに戻した。その後もフランクはジルを狙ったが、目的を果たせずに終わる。やがてフランクの一味が「その男」を襲う。しかし、フランクは「その男」の返り討ちにあった。そのとき、「その男」の脳裏に15歳の時の記憶がよみがえる。「その男」の兄はフランクに虐殺されたのだった。そのときから「その男」は復讐のためにフランクを探していたのだった。やがて「その男」は夫の志を継ごうとするジルを残してどこかに去っていった。 | |
(解説) マカロニ・ウエスタンの大御所セルジオ・レオーネがアメリカにロケし、アメリカの資本とスターを動員して作った娯楽西部劇。殺された農場主の妻が、流れ者のガンマンの手を借りて、鉄道会社の陰謀と戦う。「暗殺のオペラ」「ラスト・エンペラー」のベルナルド・ベルトリッチとの共同原案である。 アルジェント監督の経歴はベルナルド・ベルトリッチと共同でセルジオ・レオーネ監督の『ウエスタン』の原案を手掛けたところから始まる。レオーネは若いアルジェントとベルトリッチに話を持っていった。アルジェントとベルトリッチは当時から友人関係にあったが、一緒に仕事をできるようにしてくれたのはレオーネのおかげだ。西部劇が大好きだったアルジェントにとって、この仕事は夢のようだった。二人は有名な西部劇をすべて見ることから始めた。『大砂塵』やとジョン・ウェインの『捜索者』を何度も観てから原案を書き始めた。1ヵ月間、朝から晩まで映写室にこもる生活が続いた。時々レオーネは映写室に現れては、「寝るな」と注意したそうだ。 ピストルの重さを知りたかったため、アルジェントは本物を買い、何度も何度もピストルを構える格好をした。感覚をつかむためにカウボーイハットを買って鏡の前でかぶったりもした。オープニングに蝿をピストルの銃口に入れるシーンがあるが、そのシーンはアルジェントのアイデアだ。ピストルとカウボーイハットの研究の成果が発揮された印象的なカットである。 6カ月ほど仕事をして、アルジェントとベルトリッチはそれぞれ800ドルずつ受け取った。最後の最後に受け取った800ドルの原稿料は当時としても安すぎるものだったが、二人にとっては映画界への第一歩だった。ほんの数カ月の仕事だったが、レオーネからは多大のものを学んだ。 |
別題: Love Circle (1969)、 One Night at Dinner (1969) |
|
『ある夕食のテーブル』はアルジェントの脚本家としてのキャリアで重要な作品だ。『ある夕食のテーブル』は『スキャンダル−愛の罠』のジュゼッペ・パトローニ・グリッフィ監督が書いた傑作コメディ劇。しかし、プロデューサーのマリナ・チコーナとジョバンニ・ベルトルッチは脚本が映画向けでなく、どちらかといえば舞台向きであることに懸念を抱いていた。そこでアルジェントに書き直しの依頼がきた。アルジェントは脚本をもっと動きのあるものに書き換えてプロデューサーに渡した。それを知ったグリッフィ監督は怒り出したが、映画はイタリアで大ヒットとなった。そのため、グリッフィ監督は「前からすばらしい脚本だと思っていた」と言い出し、態度を急に変えたという。この映画がヨーロッパ各地で成功を収めたおかげで『歓びの毒牙』の制作が認められたことには注目しなければならない。 |
別題:The Sexual Revolution (1968) |
別題:Today It's Me... Tomorrow You! (1968)、Today We Kill, Tomorrow We Die! (1968) |
|
仲代達矢主演として公開され、話題になった西部劇だが、実際は主演ではない。幼なじみの友人に恋人を眼前で強姦され、射殺され、そのうえ犯人にしたてあげられた男が、出獄後、その友人に復讐するまでの物語。仲代の役は悪役の友人で、彼の悪役が身どころのひとつ。仲代がロケ地の空港に着いた時、出迎えに来た現地のスタッフが彼の頭を見て、「なんだ、チョンマゲは日本に置いてきたのか」と残念がったという逸話が残っている。 |
別題:Zero probability、PROBABILITY ZERO、壮絶!潜行決死隊(TV) |
別題:Someone Let Me Down、Every Man Is My Enemy (略筋) 金庫破りのプロ、トニーは暗黒街のギャング、ロイとその仲間たちに呼ばれてマルセイユにやってくる。その仲間たちとは、「教授」とよばれる男と、殺し屋のココ、ロイの妻アンらである。しかしトニーは、一味の頭脳ともいうべき麻薬中毒の教授と、アンと通じているココの二人がどうも気にくわなかった。 教授の計画は、高価なダイヤが確実に運びこまれる日の、ほんの二、三時間の間を狙って宝石店から宝石を強奪しようというものだ。この計画を聞いたあと、トニーは酒場でブロンデルという戦友に出会う。飲んでいるうち、二人の友情はもとに戻った。帰途、トニーは何者かに襲われ重傷を負う。犯人は殺し屋ココの手下だった。以前トニーは、気にくわないココを衝動的に殴ったため、その仕返しのために襲われたのだ。 トニーは傷が癒えるまで、この地で知りあい、愛しあうようになったローレーンのもとですごした。そしてホテルに帰った日、ブロンデルから夕食の招待を受けた。しかし、この招待を受けるわけにはいかなかった。この日こそ、宝石強奪の日だったからである。 仕事は成功したかにみえたが、最後の瞬間、一味は警察のサーチライトに照らされた。誰かが密告したのだ、教授もロイも倒れた。逃げのびたトニーは、殺し屋ココが密告者にちがいないと思い、彼をさがして射殺した。だが彼は本当に密告者だったのだろうか。トニーはブロンデルに相談した。すると彼は、約束の場に警官といっしょにやってきた。ブロンデルは警察の人間だったのだ。密告者はブロンデルだと知った時、思わずトニーはピストルに手をかけたが、一瞬早く警官のピストルが火をふいた。 |
別題:A Man Called Amen (1972) (米国題)、They Called Him Amen (1972) (米国題)、Cosa sia (1972) |
|
「黄金の指」を持つ男として、ギャング仲間に知られた元金庫破りのプロが主人公のギャング・アクション。出演は監督が別名のアル・ノートンを名乗って主演している。紛失したシンジケートの200万ドルに相当する金塊をめぐって2組のギャング団が対立、その決着をマシンガンでつける。 元金庫破りのプロとして知られたノートンはヘレンという女が殺されたことから金塊の行方を突き止めることにし、それが海底に沈んでいる船の金庫にあると知っているプエルトリコのギャング、スロットと協力することになる。金塊を手に入れればシンジケートは金を出すという。そこに、やはりシンジケートの命令で動いているトリオ一味が現れた。ノーとんとスロットは彼らと戦いながら金塊を船の上まで運び出すのに成功するが、トリオ一味が押しかけてくる。一触即発という時にシンジケートのボスも手下たちとボートで現れ、海上で3組が対峙する。ここで、ヘレンを殺したのはトリオの子分の1人、ナチであり、トリオたちの金塊を独り占めにしようとしていたことも判明する。ボスはナチを射殺、トリオとノートンをマシンガンで対決させる。先にノートンの機関銃が火を吐いた。そこで殺されたヘレンはノートンの妹だったことが語られる。ノートンがスロットに近づいたのは賞金目当てではなく、妹殺しの犯人をつきとめるためだったのだ。 |
別題:The Five Man Army (1969)、列車襲撃大作戦/五人の軍隊(ビデオ) |
|
メキシコ革命を舞台に活躍する5人のプロフェッショナルを描いたアクションで、小品ながらスピード感あふれる快作。日本人の丹波哲郎が出演している。リーダーのダッチマンは剣と手裏剣の名手「サムライ」など4人を報酬1000ドルで雇い、メキシコに列車で運ばれてくる砂金を奪おうとする。5人は革命の闘士を処刑しようとしていた兵隊を壊滅、いったんは捕まるが村娘の機転で脱走し、列車を奇襲して目的を達する。4人は砂金を分けようとするが、ダッチマンの阻止と彼らを英雄と持ち上げる村人の歓呼に砂金と報酬を革命軍に提供する。 |
別題:Battle of the Commandos (1969)、La Brigada de los condenados (1969) (スペイン題)、Die zum Teufel gehen (1969) (ドイツ題)、Legion of the Damned (1969) |
|
ノルマンディー上陸前夜の緊迫したイギリスから、ドイツ軍の秘密兵器とされた魚雷や地雷を爆破する任務を帯びて、送り出されたイギリス軍の鬼大佐アンダーソンと8人の部下の活躍を描く戦争アクション。ジャック・パランスとクルト・ユルゲンスが敵味方に分かれて共演している。ドイツ軍に北アフリカ戦線以来のライバルというアンダーソンの宿敵アッカーマンがいて、最初、この作戦に乗り気でなかったアンダーソンは俄然やる気をだす。ドイツ兵の駐屯所を襲うシーン、親衛隊との激突、爆薬に使おうと地雷原の地雷を掘り出すスリルとサスペンスもある。途中でアンダーソンの非情なやり方に怒って隊を離れた2人が、味方のピンチにかけつけて応戦するシーンもいい。一方ではアッカーマンの逆襲もあり、探索兵をくり出したり、戦闘機で彼らに空から機銃をあびせたりする。戦士たちは1人、また1人と倒れていくが、フランスのパルチザンの応援もあり、ハンターがようやく長距離砲を運ぶ列車に爆薬をセット、かけつけたアッカーマンの前でナチの秘密兵器は列車ごと大爆発を起こすのだった。アンダーソンとアッカーマンの対決は1対1の果たし合いとなり、ドイツ将校は当然、崩れ落ちる。任務を果たしたものの、ヒーローの表情には昔年のライバルを倒した喜びよりも闘いのあとの虚脱感があり、また戦塵を共にした部下たちを死に追いやった自責の念がみえる。放心したように自動小銃を投げ捨てた彼は、しかし、遠くにいるレジスタンスの人々に気づき、再び銃をとるのだった。 |
別題 Himmelfahrtskommando El Alamein (1968)、Mit Eichenlaub und Schwertern (1968)、Sullivan's Marauders (1968) |
|
マカロニ・ウエスタンの人気俳優リー・ヴァン・クリーフが第二次大戦中の鬼軍曹に扮して活躍する戦争アクション。1942年、サリバンは部隊からより抜きのコマンドたちを引き連れ、イタリア軍が占拠している砂漠のオアシスへと向かう、連合軍がやってくるまでそこを確保、あわせてドイツ軍を迎撃する命令が下されたからだ。夜、サリバンたちは寝静まっているイタリア軍兵舎に奇襲をかける。あわてふためいて応戦するイタリア陣営だが、ふいを襲われてはかなうはずがなかった。コマンドたちは突入し、イタリア兵を射殺してまわる。サリバンたちは生き残った数人のイタリア兵を地下室に閉じこめ、自分たちはイタリア兵になりすます。そうするうち、ハイツェル率いるドイツ軍がやってくる。正体がばれそうになるが、ドイツ兵たちは引き揚げる。今度は捕虜のイタリア兵がトラックで逃げ出す。追走するコマンドたち。しかし、イタリア兵たちは地雷原に突っ込み全員が爆死する。やがて、ハイツェルらが再びオアシスにやってくる。遂にコマンドたちの正体が露見し、両軍の間に戦闘が始まる。修羅場の末、サリバンとハイツェルを残し総員が共倒れる。2人は武器を投げ出し、死体を並べるのだった。 |
別題 Season of the Senses |