「サスペリアPART2」その構成の素晴らしさ


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投稿者 中川圭一 日時 1998 年 2 月 15 日 15:49:26:

単純明解に言うと「サスペリアPART2」は面白いです。なぜ面白いのかずっと考えてたんですが・・・

昔「ダイ・ハード」という映画のパンフレットに‘この映画が面白いのは密室サスペンスというしっかりした縦糸に、アクションという横糸がしっかり絡み合って・・・‘と書いてました。
たしかに、ストーリーというしっかりした縦糸がなければ、どんなにいい役者を使おうがどれだけ火薬を使って爆発させようが面白くはありません。(そんなアクション映画多いですよね・・・)
ところで「サスペリアPART2」ですが、なぞ解きの推理サスペンスとして、しっかりした縦糸を持っています。だから、このストーリーを他の監督が撮ってもそこそこは面白く仕上がると思います。
さて、問題は横糸です。この横糸こそまさしく‘アルジェント‘なのであって、この作品で言う横糸は私が思うに‘生理的恐怖‘なのでしょう。
それは我々が記憶や経験から、心のどこかで恐怖として抱いているもの、NTさんもおっしゃってましたが「童謡」「幽霊屋敷」「子供の絵」「不気味な人形」「夜の小学校」などです。
そしてこの作品での被害者の殺され方、実に感に障ります。たとえば13金のように、斧で顔面を刺されたり、ナイフで腹を突かれても経験がないので(当たり前ですが)、痛みというよりは恐怖が先行しますよね。
ところが「サスペリアPART2」(まあ、アルジェント作品に共通していえることですが)は、我々が少なからずとも経験したことの延長で死に至らしめるゆえに、‘恐い‘より‘痛い‘んですよね。それが一番いい形で出た作品ではないでしょうか。
たとえばガラスであり、やけどであったり(このシーンのアマンダは、本当にリアルな叫び声ですね・・・)、机のかどに打ち付けられる前歯だったり・・・
そういった生理的恐怖の横糸がしっかりと縦糸に絡んでいるために、見ごたえある作品に仕上がったのでしょう・・・

・・・と、長々と書いてきて根底からひっくり返すようですが、この作品の良さはこんなことでは言い表せないんですよね。私この映画100回以上見てますが、何がどう面白いかわかってるようでわかってないと思うんです。だからこそ見るたびに違う感動があるんでしょうけど。これだけ神秘的で魅力的な映画はもうないでしょうね・・・
この映画だけは‘ここがいい、そこが悪い‘と言う次元ではもうないのですが、そうも言ってられない(それでは伝わらない)のでまた書かせたもらいますね。

PS,,,カルロが死んだ後、マークが彼が犯人でないことに気づき足を止めるシーンのバックに流れてる音楽・・・
これって「ダイ・ハード」にも使われてたような・・・(未確認ですが)


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