投稿者 矢澤利弘 日時 1998 年 1 月 09 日 23:44:56:
T・E・D・クラインはニューヨーク出身の作家です。この「王国の子ら」は、
ハヤカワ文庫の「闇の展覧会2」にも収録されていますので、お読みになった方も
多いのではないでしょうか。これは、ラブクラフト系の作品です。
で、この小説はニューヨークのとある館(老人ホーム)の中で起こる奇怪な出来事を
描いたものです。彼はニューヨークをミステリと魅惑に満ちた都市として写し出し、
ここを、古来の怪奇と現代の恐怖がであう舞台となしています。
これを読むとなんとなく「インフェルノ」を思い出します。考えすぎか?
ちなみに、クラインはアルジェントの「トラウマ」の共同脚本を手がけています。
どうしてアルジェントとクラインが「トラウマ」で一緒に仕事をしたのか、
なんとなく、この作品を読むと判るような気がします。