サイコ-ファイル
LA PORTA SUL BUIO

Also Known As : The Psycho-Files (Japanese title) , The Door Into Darkness (UK title)

Laporta   La Porta

1972 Color (Television)



人形 La Bambola

[STAFF]
監督:マリオ・フェリエッティ  Mario Foglietti
製作:ダリオ・アルジェント  Dario Argento
原作・脚本:マルチェラ・エルスバーグ、マリオ・フェリエッティ  Marcella Elsberg, Mario Foglietti
編集:アメディオ・ジオミーニ  Amedeo Giomini
音楽:ジョルジョ・ガスリーニ  Giorgio Gaslini

[CAST]
ロバート・ホフマン Robert Hoffman
マラ・ベニエール Mara Venier
ジャンフランコ・ダンジェロ Gianfranco D'Angelo
ウンベルト・ラオ Umberto Raho
プポ・ディ・ルカ Pupo De Luca
マリサ・テレサ・アルバニ Marisa Teresa Albani
ルチアーノ・ボナンニ Luciano Bonanni

 郊外の隔離施設から重度の分裂症患者が脱走。その患者は殺人を犯す危険があった。院長は警察に捜査協力を依頼する。そのころ男が街のホテルにチェック・イン。ホテルのオーナーであるマリティオリはその男の様子が怪しいと感じた。
ある日、仕立て屋オーナーであるエレナ・モレスキが職場で殺害されるという事件が発生。警察は、その男を逮捕するために包囲網を張った。警察に通報があり、容疑者らしき男を発見する。その頃、男は路地裏で見かけたブロンドの女性、ダニエラをつけていた。商店街で彼女のバッグに人形を滑り込ませ、近づきになる機会をうかがっていた。

変死体 Il Tram

[STAFF]
監督:ダリオ・アルジェント  Dario Argento (シリオ・ベルナドッテ名義 Sirio Bernadotte)
制作:ダリオ・アルジェント  Dario Argento
脚本:ダリオ・アルジェント  Dario Argento
音楽:ジョルジョ・ガスリーニ  Giorgio Gaslini
編集:アメディオ・ジオミーニ  Amedeo Giomini


[CAST]
フランコ・ ジョルダーニ所長:エンゾ・セルシコ Enzo Ceruscio
トム・フェレイジ Tom Felleghy
フルビオ・ミンゴッツィ Fulvio Mingozzi
パオラ・テディスコ Paola Tedesco
マルチェロ・フスコ Marcello Fusco
ルチアーナ・レハール Luciana Lehar
エミリオ・マルケシーニ Emilio Marchesini
コラード・オルミ Corrado Olmi
ピエトロ・ザルディーニ Pietro Zardini
サルバトーレ・パンティロ Salvatore Puntillo
マリア・テデスキ Maria Tedeschi

 ある早朝、路面電車の清掃中にモニカ・リミという女性の死体が発見される。彼女は工場勤務で、終着駅の1つ前に住んでいる。毎日、深夜1時10分の電車で帰宅していた。ジョルダーニ所長は事件の捜査に乗り出す。運転手レモや乗務員のロベルト・マニによれば、怪しい人物はいなかった。ロベルトはモニカと何度もあいさつを交わした知り合いだったという。

 警察は事件当日の乗員乗客を召集。9名が事件再現に参加する。それぞれの証言を合わせたところ、容疑はロベルトに向けられた。ロベルトはモニカを口説いたことがあり、断られ続けていた。鉄道会社にモニカから苦情の手紙も送られている。ロベルトのロッカーから死体の傷と一致するナイフも見つかった。法廷で無実を訴えるロベルトにジョルダーニは自分の判断ミスを感じる。そこでジョルダーニは事件再現に参加した乗客に連絡を取ろうとする。だが、全て断られ、恋人のジュリアに頼むのだった。それは、当日モニカが乗った深夜の時間帯に電車に乗るということだった。

目撃証人 Testimone oculare

[STAFF]
監督:ロベルト・パリアンテ  Roberto Pariente
制作:ダリオ・アルジェント  Dario Argento
脚本:ダリオ・アルジェント、ルイジ・コッツイ  Dario Argento, Luigi Cozzi
音楽:ジョルジォ・ガスリーニ  Giorgio Gaslini
編集:アマディオ・ジオミーニ  Amedeo Giomini

[CAST]
アルテア・デ・ニコラ Altea De Nicola
グラウコ・オノラート Glauco Onorato
リカルド・サルビーノ Riccardo Salvino
ロベルタ・レオーネ:マリル・トロ Marilu Tolo
ルイジ・パニーニ Luigi Pagnani


 ロベルタは車で帰宅中、突然飛び出してきた女を轢きそうになる。だが、女は背中から血を流し、すでに死んでいた。その時、草むらから黒コートの人物があらわれ、ロベルタにピストルを向けた。その場から逃げ出したロベルタは近くの喫茶店に入り、助けを求める。警察は事件現場に向かったが、死体は見つからなかった。翌日、ロベルタは無言電話を受ける。夫のグイドと結婚記念日をディスコで祝って帰宅すると、家のドアが開いていた。だが、何も盗まれた形跡はなかった。

 事件担当のロッキ所長はロベルタを呼び、行方不明者のモンタージュ写真や最近発見された女性の死体写真を見せるのだが、ロベルタが見た女性はいなかった。その帰り、信号待ちをしていたロベルタは誰かに背中を押され、車に轢かれそうになる。ロベルタの身を案じたロッキは、彼女に外出を控えるように忠告する。

 その夜、夫の帰りを待つロベルタに殺人予告電話がかかってきた。ロッキ所長に電話をかけようとするが、電話線が切断されている。そこへ夫が帰ってくる、夫はロベルタから事情を聞き出し、ある考えをめぐらす。殺人犯は夫が帰って来ていることを知らないので、協力して捕まえようという。



隣人 Il vicino di casa

[STAFF]
監督:ルイジ・コッツイ Luigi Cozzi
原作・脚本:ルイジ・コッツイ Luigi Cozzi
編集:アルベルト・モロ  Alberto Moro

[CAST]
アルド・レジアーニ Aldo Reggiani
ラウラ・ベリ Laura Belli
ミモ・パルマーラ Mimmo Palmara
アルベルト・アテナーリ Alberto Atenari

 新しく海辺のアパートに引っ越してきた新婚のルカとステファニアには7カ月になる赤ちゃんがいる。理想的な住まいに見えた。だが、途中で車が砂地に乗り上げたため、歩いて着いたアパートは電気が止まっており、床はほこりだらけだった。明朝には荷物が届く予定だが、今は毛布一枚もない。

 上の階の部屋は明かりがついているが、留守のようだ。天井に染みが広がっているのを見て、階上の部屋に行くが、そこにあったのは 風呂場で絞殺された女性の死体だった。 逃げ出そうとしたその時、階上の住人が帰宅してきた。


冒頭でアルジェントが解説

il tram イタリア国営放送RAIで放映された4つのエピソードで構成されたシリーズものである。
「ヒッチコック劇場」と同様、各エピソードの冒頭でアルジェント自身が作品を解説している。
全4話のうち、アルジェント自身の監督した「変死体」と「目撃証人」が、『サイコ・ファイル』に、「人形」と「隣人」が『新サイコ・ファイル』に収録されている。


顔も覚えられ、全国的に有名に

 『四匹の蝿』の後、ダリオ・アルジェントは4話オムニバスのテレビ映画を作りたいと考え、ルイジ・コッツイとともにアイデアを出し合った。ルイジ・コッツイは、カナダで冷蔵庫付きのアパートを借りた人が、冷蔵庫から奇妙な匂いがしたため、入居後すぐにドアを開けたところ中に死体が入っていた、という新聞記事の切り抜きを読んでエピソードの1つ「隣人」のアイデアを膨らませた。このエピソードはルイジ・コッツイ自身が監督した。

 また、「目撃証人」のエピソードでは、監督にロベルト・パリアンテのクレジットがされている。ロベルト・パリアンテはベテランの助監督で、『歓びの毒牙』からアルジェントと仕事をしている。『わたしは目撃者』でもダリオはパリアンテの才能を買っていた。だが、『四匹の蝿』の撮影でダリオとパリアンテはけんかをしてしまった。しかし、アルジェントはパリアンテに借りがあると考え、監督デビューのきっかけとして「目撃証人」の演出という機会をパリアンテに与えた。しかし、実際に撮影がはじまると、パリアンテの演出はとてもジャーロとは呼べないコミカルなものだった。ダリオは3日で彼を解雇、ルイジ・コッツイを呼び、残りの部分を一緒に作った。しかし、ロベルト・パリアンテの名前だけは残された。ダリオは撮影をさっさと終え、主演女優のマリル・トロと旅行に行った。ロベルト・パリアンテはアーシア・アルジェントが主演した『ZOO』(88)でも助監督にクレジットされている。

 エピソード「人形」ではマリオ・フォリエッティが監督としてクレジットされている。『サイコ−ファイル』を制作したテレビ局RAIの意向で、テレビ局の社員に1本演出させなければならないことになっていたため、RAIのジャーナリストだったフォリエッティが「人形」を監督した。アルジェントはこのことがあまり面白くなかったらしく、フォリエッティが監督している間、ずっと旅行をしていた。ルイジ・コッツイは「フォリエッティは仕事が遅く、スケジュールどおりに撮り終えることができなくなりそうだったため、アルジェントに頼まれ、現場の手伝いをさせられた」と語っている。

 『サイコ−ファイル』放映当時の評判は上々で、アルジェントは各エピソードの冒頭に出演もしていたため、顔も覚えられ、全国的に有名になった。




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