NON HO SONNO
スリープレス

Also Known As: I Can't Sleep (2001) (promotional title), Nonhosonno (2001) (Italy: alternative spelling), Sleepless (2001) (Europe: English title) (USA)

2000 Color

 

 


[STAFF]
監督 : ダリオ・アルジェント
原案:ダリオ・アルジェント、フランコ・フェリーニ
脚本:ダリオ・アルジェント、フランコ・フェリーニ、カルロ・ルカレッリ
製作総指揮:クラウディオ・アルジェント
制作:ダリオ・アルジェント 
製作:チェッキゴリグループ、タイガーチネマトグラフィカ(イタリア)、メデューサ・プロデュージオーネ(イタリア)、オペラフィルム
配給:メデューサ・ディストリビュージオーネ

音楽:ゴブリン
撮影:ロニー・テイラー
編集:アンナ・ローザ・ナポリ
美術・セット:マッシモ・アントネッロ・ゲーリング
衣装:スージー・マットリーニ


制作主任:トマッソ・カレーヴィ
助監督:リカルド・カンノーネ
第2班監督:マルツィオ・カーザ
音響:トゥリオ・モルガンティ
特殊効果:セルジォ・スティヴァレッティ
特殊効果助手:デビッド・ブラッキ


制作主任:トマッソ・カレーヴィ
助監督:リカルド・カンノーネ
第2班監督:マルツィオ・カーザ
音響:トゥリオ・モルガンティ
特殊効果:セルジォ・スティヴァレッティ
特殊効果助手:デビッド・ブラッキ

「動物農場」童謡の作者:アーシア・アルジェント
音楽コンサルタント:チンジア・カヴァリエーリ
編集助手:マリア・クリスティーナ・マッラ
ビデオ助手:フランチェスコ・ペッリ
スクリプト・スーパーバイザー:フェルナンダ・セルヴァッジ
ロケーション・マネージャー:ラディス・ザニーニ

[CAST]

ユリシース・モレッティ捜査官:マックス・フォン・シドー
ジャコモ・カッロ:ステファノ・ディオニジ
グロリア:キアラ・カセッリ
ベッティ氏:ガブリエレ・ラビア
ローラ・デ・ファブリティス夫人:ロッセーラ・ファルク
マンニ警部:パオロ・マリア・スカロンドロ
ロレンゾ・ベッティ:ロベルト・ジベッティ


ファウスト:ロベルト・アッコルネロ
アンジェラ:バーバラ・レリッキ
若い捜査官:グイド・モルベーロ
レオーネ:マッシモ・サルキエリ

ベッティ夫人:アレッサンドラ・コメリオ
メル(仔猫のダンサー):エレーナ・マルケシーニ
年配の警部:アルド・マッサーソ
ドーラ(うさぎのファースト・フード店員):バルバラ・マウティーノ

アマンダ:コンチータ・プリーシ
マジストラート:ブライアン・エアーズ
13歳のジャコモ:ダニエレ・アンギウス
マルコ:ロベルト・カメリオ
ヴィンセンゾ・デ・ファブリティス:ルーカ・ファッジオーリ
マリア・ルイーザ:ダニエラ・ファッツォラーリ
電車の車掌:アルド・デラルーデ
警察エージェント:ジョン・ペデフェーリ
ポーター:フランチェスコ・ベネディット
駅長:レナート・リプランディ
マクドナルドの女性:エリザベッタ・ロケッティ
検死官:アントニオ・サラッソ
検死官:ピエロ・マルテェッリ
マーラ(白鳥):ロッセラ・ルーカ
小人:ジュゼッペ・ミュニュティッロ
アドルフ・フォンティーナ:ジャンカルロ・コリア
ジャコモの母親:フランチェスカ・ベットーリ
ディスコの男:アントニオ・レーク

その他の情報

上映時間:117分
ドルビーデジタル
フィルムネガフォーマット:35 mm
現像:スフェリカル
現像所:チネチッタラボラトリーズ(ローマ)
フィルムプリントフォーマット:35 mm
画面比 1.85 : 1

撮影開始 :2000年5月15日
ロケ地:イタリア・トリノなど
公開:イタリア:2001年1月5日、オランダ:2001年4月9日(アムステルダムファンタスティック映画祭にて)、イスラエル:2001年7月13日(エルサレム映画祭にて)、トルコ:2001年8月3日、英国:2001年8月25日(ロンドン・フライトフェスト映画祭にて)、スエーデン:2001年11月10日(ストックホルム映画祭にて)、米国:2001年12月(ビデオ発売)、フランス:2002年3月13日、日本:2002年3月30日(東京・新宿/武蔵野館)、2002年7月27日ー8月9日(北海道・札幌/ディノスシネマ)アルゼンチン:2002年4月18日(ブエノスアイレス国際インデペンデント映画祭にて)

配給:日本コロムビア(日本)、メデューサ・ディストリビュツィオーネ(イタリア)、プリティ・ピクチャーズ(フランス)、スペントゾス・フィルム・ホームビデオ(ギリシャ)、サンフィルム・エンターテインメント(デンマーク)

キネマ旬報掲載:グラビア1351号

[STORY]

1983年。イタリア・トリノのとあるアパートで、若い母親が、喉奥に金属の縦笛を突き刺され無残に殺害された。頻発する女性ばかりを狙った残虐的連続殺人に、今まで平穏だったトリノの町は衝撃に震える。現場に駆けつけたモレッテ.イ警部は惨劇の一部始終を目撃していた幼い少年ジャコモを見つけるとこう告げた。「君の母親を殺した犯人は、僕の生涯をかけても捜し出す」その後、容疑者と思われる小人の作家が変死体となって発見され、犯人の死亡という結末でこの事件は終わりを告げようとしていた。


 17年後。男性客と居た若い売春婦は、その男の変質的な要求や雰囲気に恐怖を覚え、男が寝ている間に家を抜け出す。そのとき間違って紛れ込んだ男のファイルを持ったまま夜行列車に逃げこんだ彼女はそのファイルの中に17年前の事件を示唆する写真や新聞の切抜きを発見する。携帯で友人に助けを求めたものの、駅に友人が駆けつけたころには既に車内で無惨にも何者かに殺されていた。さらにその友人も自分の車に戻ったところを襲われて殺された。現場に駆けつけた捜査官たちは、列車内で殺されていた女性が『小人殺人事件の真犯人を見つけた』と車掌に言い残していたことから、17年前に起こった連続殺人事件との共通点を見出すべく、当時の事件を担当していたモレッティ元警部に当時の事件を聞きに会いに行くが、モレッティはすでに現役を引退しており、事件の詳細は既
に記憶の奥に追いやられていた。


 そんな中、クラブの女性ダンサーが何者かに殺されるという事件が起こった。殺害状況からあの小人殺人事件との共通点が浮かび上がってくる。現場には、動物をかたどった紙片が残されており、何故か被害者である女性の爪から先が切り落とされていた。過去の亡霊に突き動かされたのように、モレッティは捜査官たちに混じり、事件の現場に立ち会った。何かが記憶の中から甦りそうな感覚にいても立ってもいられず、モレッティは自ら警察に向かい、当時の記録を拾い始める。

同じ頃、青年に成長したジャコモは付き纏って離れない母親殺害の情景を忘れようと、トリノを出て、ローマで普通の生活を送っていた。ある日、地元の旧友であるロレンツォから再び始まった殺人事件のことを知らされたジャコモは、この事件の真相を自らの手で暴き出す以外に、自分のトラウマを癒す道はないと悟り、地元トリノに戻る。連続殺人事件と自分の母親殺しとの接点を探るべく、トリノの警察に向かったジャコモはそこでモレッティに再会する。彼らは警察とは無関係に、協力して事件を追うこととなった。2人はまず、当時容疑者として上がっていた小人の廃屋を訪れ、事件への手掛かりを捜し始めた。

 小人の屋敷に星を踏み入れた2人が遭遇したものは、当時から町に住む怪しい男と、書棚に乱雑に置かれた童謡の本だった。男が口ずさむその童謡の奇妙で残酷な歌詞に2人は何か引っかかるものを感じたものの、当時の記憶となかなか結びつかず、事件解決への突破口をつかめずにいた。その間にも謎の法則にのっとった殺人事件が警察の捜査を嘲笑うかのように続いていた。やがてモレッティは17年前の事件と今回の事件との決定的な相違点を見出す。そしてそれはまさに意外なる真相を示唆するものであった。が、その時既にモレッティ自身に危機が迫っていた。

ジャーロへの回帰

 スリープレスはアルジェントがシャドーやサスぺリア2のような推理映画、すなわちジャーロへ回帰した作品だ。アルジェントの初期の作品のような雰囲気を持っている。アルジェントは「長い間、ホラーや幻想的なテーマを追求してきたが、20年前の自分のスタイルに戻りたくなったのだ」と語っている。

 アルジェントの映画に出てくる黒い手袋をはめた殺人者はアルジェント自身の手だ。ただ、スリープレスの前半部分では、初めて殺人者の手を他人にゆだねた。「手袋が自分には大きすぎたからだ」という。ただ、映画の残りの部分に出てくる殺人者の手はアルジェントが演じている。

 アルジェントが初期のスタイルに回帰したことを象徴するように、スリープレスの音楽はゴブリンが担当。「ゴブリンと再び仕事ができたことはすばらしかった。わたしがゴブリンに求めたものは、観客の心をかき乱すことができるような繊細で鋭角的な音楽だ」とアルジェント。叙事詩的な雰囲気を出すためにエンニオ・モリコーネを起用した作品とは対照的な仕上がりだ。

 スリープレスの主役はマックス・フォン・シドー。彼を起用したのは、年令にも関わらず、スクリ−ン上で圧倒的な存在感があるからで、アルジェントは、引退した捜査官を演じるにはフォン・シドーが理想的だと考えた。伝統的な捜査方法を用いて、近代的な捜査では解決できない事件を狩人のような本能で解決していくという主人公にはマックス・フォン・シドーが最適なキャスティングといえるだろう。

 アルジェントはマックス・フォン・シドーとの仕事を楽しんだ。撮影の途中で、マックス・フォン・シドーは、アルジェントに対して、「スリープレスの続編として、モレッティ捜査官の話を作るのはどうだろう」と提案してきた。アルジェントが「でも、モレッティはこの映画で死んでしまう」と指摘すると、フォン・シドーは「これがアメリカ映画なら、キャラクターをよみがえらせることぐらい何の問題もないのに」と残念そうにつぶやいた。

 アルジェントの映画の多くはアルジェントが見た悪夢から生まれたものだ。スリープレスの場合、1カ所だけだが、悪夢から生まれた部分がある。動物の本の部分がそれで、アルジェントは娘のアーシアに本のための詩を書いて欲しいと依頼。それがこの映画全体の骨格となった。

DVD&ビデオ

 スリープレスのDVD&ビデオ、コロムビアミュージックエンタテインメントから発売中。

DVD:COBM-5216 価格:4700円(税抜き) メニュー画面:対応 映像仕様:16:9LB 音声:ドルビーデジタル 片面1層 字幕:ON-OFF可
ビデオ:COVM-8069 価格:16000円(税抜き) 音声:HiFi 吹き替え版もあり。

(C)Medusa Film S.p.A-2000

Goblin

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