4 MOSCHE DI VELLUTO GRIGIO
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![]() 1971 Color |
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地下鉄のエキストラ、劇場のマスクをかぶった男:ルイジ・コッツイ |
製作期間:1971年7月12日、トリノおよびミラノで撮影開始 公開時コピー:血に飢え狂い飛ぶ謎の蝿!殺しの現場に恐怖を呼ぶ!影なき殺人魔が次々と仕掛ける必殺の罠!異常な戦慄で迫る本格的サスペンス・アクション! キネマ旬報掲載:紹介606号、批評607号、グラビア597号 |
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パラマウントはアメリカのポップシンガー、ジェームス・テイラーを推薦してきた。アルジェントは乗りかかったが、彼の出演している『Two Lane Blacktop』の興行収入が思わしくなかったため、アルジェントの気持ちが変わった。そこで、マイケル・ヨークと契約を交わした。だが、撮影に入る数日前に契約はキャンセルされることになった。ヨークの主演している戦争アクション映画『ツェッペリン』の撮影が延びたため、スケジュールの都合で『4匹の蝿』への出演が不可能になったからだ。
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また、森卓也氏は「呆れたことにこの映画、最後に、なんと小酒井不木の「網膜現像」を、大マジメに持ち出した」と書き、「さて、その謎の心は、と問えば、これが都筑道夫氏もひきつけを起こしかねまじき珍解決。脚本・演出ダリオ・アルジェント。話のタネだよ見ておいで」と続けている。
もっとも、「むしろ、雨の夜に、怪しい奴とばかり棍棒をふるったら、速達を持ってきた郵便配達人で、以後、その配達人は、ドラマーの姿をみるたびに、あらぬことをわめいて逃げ廻る、というくり返しの方が、まっことイタリア的で、アルベルト・ソルディの喜劇でもみているような、ドロくさいおかしみがある」という指摘は妥当と思われる。
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それぞれの原題の意味からいわれるアルジェントの初期”動物3部作”最後の作品。父親に憎悪を持つ女性が、父親に似た男を攻撃対象に選び、殺人や嫌がらせを繰り広げるというスリラー。ニヒルな薄笑いを浮かべた人形のマスクを被った犯人が闇に浮かぶ姿が不気味。主人公の夢に現われる斬首処刑のイメージが印象的。 チラシ裏面の解説文 父親から受けた幼い頃のショッキングな体験。そのことが次第に心の底がら重くのしあがる。やがて父親によく似た若きドラマーを冷酷な罠におとし入れ、その異常な復讐をたのしみながらおぞましい過去をぬぐいさろうとする。こうして次々と起きる殺人事件の中でこの若きドラマーが恐怖のドン底へと突きおとされていくというスリリングなサスペンス・アクション。 主演にはカンヌ映画祭参加作品「モア」で一躍世界的な脚光を浴びたミムジー・ファーマーと期待の新人マイケル・ブランドンとの新鮮な共演。若きドラマー役を減じたこのブランドンは「さよならコロンバス」で端役をつとめた後、『恋人たちと他人』で注目され、遂にこの新作の主役に抜てきされることになった。 全洋画の解説文 |
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